睡眠に必要な音楽

僕は、眠るときにはほぼ必ず音楽を再生させる。
それこそ初めてCDを買った時から。高校生ぐらいの時からずっとそうだった。

初めて買ったミニコンポはAIWA社の3CDチェンジャーのもの。必ずタイマーをかけてベッドに入った。住んでる所が田舎で、かつ家族の部屋と大分離れていたこともあり、けっこうな大音量で流していた。東京の今の部屋であの音量で夜音楽を流していたら、間違いなく苦情が来るだろう。

今もそうだが、僕はベッドに入ってから眠りにつくまでの夜の静寂が怖い。自分がどういう形で死んでいくのか。ここにある自我とは一体何なのか。自分というものの消滅を想像できず、意識が鋭く暴走する。間違いなく泣く。

基本的につらいのは嫌なので、音楽に集中することでなんとか逃げてきた。それが今僕が音楽というものに携わっている一つの理由でもあると思う。

もしくは、何も考えられないぐらい疲労している状態なら音楽なくてもなんとか眠れる。意図的にそういう状態に自分を追い込む時もある。そんな環境を作るにはパソコンは最適で、眠るために学んだ多くのことが今の自分を作る要素となった。眠るために流す音楽の再生機も今はパソコンに変わっている。

僕がモノグサであることも原因のひとつだが、僕は必ずベッドの中でもパソコンを操作できるようにしている。ノートパソコンをベッドサイドに置いたり、メインのパソコンを操作しやすい位置にベッドを調整したり、別のデスクトップPCを使ったりPDAを使ったりといろいろ変遷はあったが。とりあえず現状一番快適で常用している方法を以下に記す。

・端末
専用パソコンを用意した場合、コストがどうしても高くなってしまう。スペックを下げれば映像の再生が思い通りにいかなかったりするし、ノートパソコンの場合はファンの音も障害となる。音楽ファイル等が保存されているNASとの転送速度が煩わしい時もある。そこで、メインパソコンのディスプレイのひとつをベッドサイドまで引き回す方法をとった。

・ディスプレイ
メインのパソコンには現在2つのディスプレイが接続されている。上下に並んでいて、下がメイン(1280x1024)、上がサブ(1024x768、タスクバー有)。新規に1024x768のディスプレイを購入し、ベッドサイドに置きサブディスプレイとの物理的接続をスイッチすることで表示を可能とした。本来ならディスプレイ分配器を使いたい所だが、コスト的に見送り(1万円弱かかる)。手持ちのディスプレイスイッチも画質が悪いため、ディスプレイケーブルを手で挿抜することでスイッチングを実現。けっこう手間がかかりそうだが、ディスプレイ延長ケーブルをうまく使うことで短時間での挿抜が可能となった。

・HID(マウス、キーボード)
ベッドサイドのディスプレイはUSB1.1ハブが内蔵されているため、USBケーブルを引き回して接続。電源投入と同時に接続される所も便利。ポインティングデバイスは劣悪な環境でも使用できるようトラックボールにした。

・オーディオ
従来のシステムで既にオーディオ出力が分配されているので、出力の1系統をケーブルを引き回してベッドサイドの好位置にあるアクティブスピーカーに接続。

・プライマリディスプレイ選択
これが一番の難所。従来のシステムでセカンダリとして使用していたディスプレイをベッドサイドに引き回しているため、そのままだとウインドウの位置やフルスクリーン表示時、オーバーレイ表示時に問題が発生する。快適に使用するためにはプライマリディスプレイを切り替えなければならない。
簡単に切り替えられるようなフリーソフトを探したが見当たらない。何かプログラミング言語ができるのなら自作する所だが、残念ながらそんなスキルはない。そこで、フリーのスクリプトエンジン「UWSC」を使ってスクリプトを組み、自動でプライマリディスプレイの切り替えを実現した。

・音楽プレイヤーソフト
いろいろ試したが、JetAudioに落ち着いた。強力なスリープタイマーやアラーム機能、僕がメインで使っているフォーマット"oggvorbis"の音がいいこと、ネットラジオが聞けることなど、目的にとてもマッチしていた。たまに起動時に広告が出るのがウザいが、そのへんはスクリプトで。

・目覚ましソフト
ついでに目覚ましソフトも起動するようにした。JetAudioのアラームは音楽を再生するものなので、今回の用途には合わない。そこで、AlermNow!というソフトを利用することにした。高度な設定が可能なソフトで、過激な目覚ましサウンドを作成してばっちり目覚められる。

・ディスプレイが明るすぎる?
部屋を暗くした時にディスプレイが眩しすぎる場合は、ディスプレイのハードウェア的設定を変更するのも手だが復旧するのに手間がかかる。そこで、「如意スクリーン」というソフトを利用することにした。画面最上位にに半透過の黒画像を表示することで画面を暗くしたような効果が得られるソフトだ。