どっかおかしい

この年になると、友人たちがどんどん結婚していく。喜ばしいことだ。よく結婚式で演奏を求められたりするが、基本的にあまり無難な選曲・演奏をするつもりはないのでそのつもりで。

そしてこの年になると、友人たちがどんどん死んでいく。ちょうど今月にも、よく遊んでいた某氏が病気で死んだと聞かされた。

普通の人はこういうときどういう顔をするんだろう。ドラマとかでは受話器を持つ手がゆるんで床に落としてしまう、とか、その場に泣き崩れる、とか?

そういうのは一切なかった。ああ、死んだのか。その程度。前に友人が死んだ時の葬式の時も他の友人は泣いていた。それが普通なのだろうか。僕はどっかおかしい?仮想現実に浸食されすぎ?カウンセリングにでも行ってこようかな。

基本的に、僕はよく泣く方だと思う。子供の頃は何か思いどおりにいかないと泣いていた気がするし、今でも映画で泣いたりもする。でも、人が死んで泣いたことはない。誰かが死ぬということはそれほど悲しいことだろうか。それとも、その人が自分にとってそれほど大切な人ではなかったということか。自分がよくわからない。

でも、こんなおかしな僕でもただ一つ確実に言えることがある。人は死ぬ。僕も死ぬ。よく宗教などでは魂は不滅だとか、命は転生するとか言ってるけど、そんな馬鹿げた話があるものか。少なくても、僕に限ってはそんなことはない。この体がなくなれば僕はどこにもいなくなる。その後なんてない。

いつか自分の死期を実感したとき、僕は何て思うだろう。願わくば、その時も今と同じ気持ちでいたいものだ。別な言い方をすれば、今でも常に自分の死期を悟った時と同じ気持ちでいられればいいと思ってる。

あと僕に残された猶予はどれぐらいだろう。その時間で何ができるだろう。僕を知ってるあなたともう合えなくなる日はいつだろう。僕を知る人が誰もいなくなる日はいつだろう。

彼らと同じく僕にもその日は確実に来る。