今求めるユーザーインターフェイス

HID(ヒューマンインターフェイスバイス。マウスやキーボード等、ユーザーが直接コンピュータを操作する機器)は、GUIの登場から今まで進化をとげてきた。マウスでの操作が主流となり、スクロールホイールの登場、多ボタン化、キーボードへのマルチメディアボタンの搭載等、確実に多機能になっている。

ちなみに最近、ロジテック?ロジクール?のMX-610というマウスを購入し、職場で使用している。標準5ボタンチルトホイールに、さらに5つものボタンを搭載、そしてPCとの双方向通信をウリにしているレーザーマウスだ。追加分のボタンは慣れるまで非常に押しにくいが、慣れるともうこれなしではいられない。ただドライバソフトは最悪の作りで、唯一の汚点と言える。このメーカーに限らず、最近はユーザーサポートの手間を減らすために機能を制限しているような場面が多々見受けられるが、非常に残念である。何も知らないユーザーへの対応は各メーカーで大変なことであると思うが、設定項目は極力柔軟にしてほしいと切に願う。


中には、「マウスのボタンなんて3つあれば充分」とか、「キーボードに邪魔なボタンは必要ない」、という方もいるだろう。でも僕はそれらを使いこなしてみたいと思う。まれに、「英語キーボードで充分」という人もいるが、僕には理解不能だ。キーは多い方が圧倒的に便利だと思うのだが。もちろんキーは押しやすい方がいいし、ハードウェアのサイズは小さい方が良いので最終的にトレードオフとはなるが。

ハードウェアの進化とは別に、ウインドウインターフェイスにもひとつの流れが発生する。あらゆるソフトのMDI化(タブ化)の流れだ。ブラウザ、メーラー、ファイラ、エディタに限らず、今やありとあらゆるソフトがタブ化している。たしかに多量の情報を効率よく管理するのにタブ化することは直観的に動作が分かりやすいし、操作性も統一できる。こういった共通化の流れは大賛成である。

GUI登場当初とくらべ、現在は扱う情報量は劇的に増えている。それに比べ、基本的な操作方法はそれほど変わったとは言えない。唯一macOSはエクスポゼという革新的なシステムが登場したが、windowsはさほど変わったとは言えないだろう。そのエクスポゼも、標準ではF9キーというユーザーをナメているとしか思えないショートカットキーが割り当てられている。これでは左手にストレスを与え、とても使えたものではない。一体どれだけの人が、右手でマウスを触ってる状態でF9をブラインドタッチできるというのか。私はできない。


大量のウィンドウやタブを、もっと効率的に管理できないものだろうか。

Microsoftのマウスやキーボードのドライバソフトでは、各ボタンでウィンドウのZ位置の並び替え機能(次や前のウィンドウを表示する)を割り当てることができる。Alt+Shift+Tabキーを同時に押すのは大変なので、これは非常に便利な機能だと思っていて、他社(特にロジテック)も是非パクっていただきたい。実際に使っている方はお分かりかと思うが、Alt+Tabのエミュレーションをするのとはわけが違う。

私はMicrosoftのキーボードを使うときは、左手のホームポジションから近い位置の付加キーにこの機能を必ず割り当てる。理想的にはキーボードについているホイールに割り当てたいところなのだが、標準のソフトでは不可能だ。非常に悔やまれる。僕は左手でスクロールホイールを操作することがそれほど便利だと思っていないので(ただホイールを搭載したキーボードが巷にあふれているということはみんな便利に使っているということなんだろうとは思うが)、キーボードのホイールにはウインドウのZ位置変更機能(かタブめくり機能)をアサインしたくてしょうがない。残念ながらそれを実現してくれるソフトはまだ発見していないが。

タブの切り替えについても、Ctrl+Tabキーで行うのが世界標準だと思うがこれもはっきり言って押し易いとは言えない。特にShiftを絡ませると押す気をなくす。この機能もOperaSleipnirのように、1ボタンで実現させたいところである。キーエミュレーションで充分だとは思うが、やはりどのメーカーのドライバも制限が多く、いい位置にあるコントローラにこの機能が割り当てられなかったりすることが多い。


さらに理想として、大画面を柔軟にスクロールさせるためよくデザインソフトにあるような「手のひら」の機能を持つボタンを搭載したいところである。イラストレーターやSHADEを使ったことのある人ならこの気持ちをわかっていただけるであろう。特にDTMをしてる時ほどこの機能が欲しいと思ったことはない。スクロールさせようとすると手が勝手にスペースキーを押すので、意図せず曲が再生されてしまう、という場合は多い。
加えて重要なのが、これらの機能を右手マウス、左手ホームポジションのスタイルから、目線を動かさず使える必要があると思う。さらに(スクロール機能以外は)左右どちらの手でも操作できるにこしたことはない。

そしてマウスドライバソフトの設定で、ほとんどのものがWindowsキーを絡めたショートカットを登録できない。Windowsキーを絡めたショートカットはかなり使い勝手が良いので、ぜひマウスボタンに登録できるようにしてほしいところである。


同時に扱うウインドウ数の増加、ハードウェアボタンの増加、macのエクスポゼ搭載、これらを考慮すると、次回Windowsのウインドウインターフェイスはきっと今とは比べ物にならないぐらい快適なものになるだろう。なってもらわなければ困る。でもそれまで待てない僕は、せめてデバイスドライバを書ける知識があればよかった、と思う。

WindowsのHIDのデバイスドライバ書ける方、ご連絡ください。