寝ながらパソコン2
→前回からのつづき。
【寝ながら用途に最適な入力装置とは?】
パソコンを使うということは、入力装置(HID)から情報を入力し、コンピュータに処理をさせディスプレイに出力するという使い方がメインになるはずです。寝ながら用途では腰や下半身は大分楽になりますが、上半身はデスクに座っているよりはるかに苛酷な態勢になりますので、入力の際のストレスについてはいつも以上に深刻に考えなければなりません。
・マウスを使う
ポインティングデバイスとしておそらく一番使われいるのはマウスでしょう。安価で種類も豊富、誰にでも直観的に操作が行えるこのHIDなんですが、残念ながら寝ながら用途ではめっきり使えません。
マウスを正常に使う大前提として、精確に走査することができ、均一な平面を持ったある程度の操作スペースが必要となりますが、ベッドサイドでは好条件のスペースを確保することは難しいと思います。レーザーマウスの場合はベッドの上で操作することも不可能ではないと思いますが、快適とは言えないはずです。
また、うつぶせで寝ている状態ではヒジにかなりのテンションがかかり、デスクワークをしている時のように自由には動かせないはずです。昔と違って最近はマウスも高精度になってますので、ほとんどの方は手首の動きだけで操作していると思いますが、それでもヒジに体重が乗っている状態では窮屈さというか、操作の不自由さを感じるのではないでしょうか。
・トラックボールを使う
マウスの次に考えられるポインティングデバイスといえばトラックボールでしょう。店頭での品揃えは決して多いとは言えませんが、根強いファンも多いです。
マウスが手首で操作するのに対して、こちらは指先で操作するデバイスです。手首を動かす必要がないため、腕への負担はトラックボールの方が圧倒的に少ないと言えます。
使ってみると手や腕を楽な態勢で固定したままポインティング操作ができるため実に快適でおすすめできます。私の試したものは球径が中型(40〜45mm程度)で人差し指操作のもの。親指操作のものは所持していませんが、無理な姿勢で使用する場合は親指操作タイプの方がよりストレスが少ないらしいです。また、大径球(球径55mm程度)を使用したトラックボールは手首が動く場合があるため、寝ながら用途には不向きだと感じました。
・ゲームパッドを使う
JouToKeyというソフトを使用すれば、ゲームパッドを使ってポインタ移動やクリックができます。近年のゲームパッドはアナログスティックがほぼ標準装備で、このソフトを使用すれば倒す角度でポインタの移動量を調整することも可能です。
使用感としては、うまく使うには相当の慣れが必要だと感じました。マウスやトラックボールのような快適さは望めないでしょう。
また常にゲームパッドを両手でホールドするのは無理がありますし、片手ではうまく保持できません。手でホールドするというのはけっこう離れていても使えるというメリットとも言えるかもしれませんが……。
実用を考えるとまだまだかな、と思うのですが、例えば「音楽再生しかしない」と言った感じに用途を限定すれば、ゲームパッドの多ボタンは有利となることでしょう。カスタマイズはえらく大変ですが。
キーボードによってはIBMのトラックポイント風ポインティングデバイスが装備されているものもあります。
http://www-06.ibm.com/jp/pc/option/obi/nob06/28l3652/28l3652a.html
ほとんどの場合こういったキーボードは「省スペース」や「サーバ用」として、筺体の小ささ、シンプルさを売りにしてる場合が多いです。サーバにポインティングデバイスがいるのかって所が気になりますが。
私はThinkPadを所有していたことがありますが、トラックポイントはマウスやトラックボールには及びませんが意外に侮れない使いやすさです。総合的なスペースを考えると驚異的とも言えますが、この恩恵を受けるのはおそらく「基本はキーボードによる文字入力」というスタイルでパソコンを使用してる方でしょう。パソコンのほとんどの操作をキーボードショートカットで行い、たまにポインティングデバイスが必要な場合はそのまま手を動かさずにトラックポイントへ……といったケースで大幅なストレス軽減を図ることができます。
実際私のベッドサイドPCのキーボードはこのトラックポイントのパクリみたいなのがついていますが、基本トラックボールを使用しますのでめったに使いません。
・ペンタブレットを使う
ペンタブレットとは、デザイナーの方がよく使うペン型入力デバイスです。量販店ではよくマック売り場なんかに置いてありますね。
慣れればポインティングしやすさは上々です。WindowsmXP タブレットエディション等、ペンを使っての文字入力環境が十分に整っているのであればキーボードレスで運用できると思います。
寝ながら環境では、普通のWindowsXPをペンタブレットとキーボードで操作するのは無謀でしょう。激しく使いにくい上ペンを無くします。
・タッチパッドを使う
昔は秋葉原でタッチパッドのみのUSBデバイスが売ってたりしましたが、今は見かけません。ノートPCならほぼ標準でついてますね。
個人的な意見としては、お世辞にも使いやすいデバイスとは言えません。ノートパソコン設計の際、スペースを有効利用できるってのはわかるんですが。消耗が激しく、交換も大変ではないかと。
とは言っても、今回列挙したポインティングデバイスの中で私が一番「使い込んでいない」デバイスであるのも確かです。使い込めばマウス以上に便利だったりするんでしょうか。
・ペン入力できるディスプレイを使う
タブレットPC、UMPC、PDA、液晶タブレット等、画面にタッチすることにより直接ポインタ操作を行えるものは多いですが、寝ながら用途での使いづらさは随一。疲れますのでもう無理。
・キーボードについて
実際にキーを入力する機会はデスクトップ用途と比べて格段に減ると思いますので、それほど重要視する必要は無いでしょう。ある程度の省スペース性があれば十分だと思います。キータッチより、ブラインドタッチ(差別用語?)しやすさで選びましょう。
ワイヤレスの方が取り回しが良いとか、メンテナンスが容易な方が良いというのは当然ですが、これらはベッドサイド用途ではデスクワークの場合よりもっと重要になってくるはずです。
ということでオススメは、テンキーなし、無線、キータッチ度外視タイプ。メンブレン+ラバードームの激安タイプなら結果的に静音が期待できるのでなお良いでしょう。
ちなみに私が現在使ってるのはメーカーのよくわからないKU-0055というもの。親指位置にポイティングデバイスつき。Windowsキーが無いのが非常に困る。
さらにつづく→